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ある日飲み会にて 【『ハゲ』と『ビーン』】
大学に入ってすぐのことである。
高校時代の友人Hと私は別々の女子大へ入学したが、週末には遊んだりしていた。

友人Hはほどなくして、他大学に年上の彼氏ができた様子で、毎日大変楽しそうであった。

友人Hと彼氏は週末ごとに遊ぶようになったので、私は週末はバイトに明け暮れていた。
私は友人Hが羨ましかったが、雑貨屋さんのレジ打ちのバイトもなかなか楽しかったので、毎日に不満はなかった。

友人Hは、私を心配してか、はたまた急に私と遊ばなくなったのが後ろめたかったのか、私に男の人を紹介すると言い出した。

「ウメが私の彼氏の友達と付き合ったら、みんなで一緒に遊べるやん♪」

彼女はそう言ったが、友人Hの彼氏の友達の枠から選ぶとなると、かなり限定されるなぁ・・・と多少息苦しく感じた私である。

「大丈夫やで!みんないい人ばっかりやし!」

甚だ疑わしかった。

「彼氏と相談して、ウメに合いそうな人、紹介するね!まかせといて!」

彼女の勢いに気おされて、紹介を受ける話が決まってしまった。

・・・がそれからしばらく彼女からの連絡が途切れた。
連絡が来たら来たで、紹介の話がすすみそうで煩わしい気がすると思ったので、私は彼女から音沙汰がないのをありがたく思いつつ、相変わらずバイトに励んだ。

そうこうしているうちに、前期試験が終わり、長い夏休みに突入した。

大学の友達もみな郷里に帰ってしまったので、私はやはりせっせとバイトに明け暮れた。
遊び盛りの大学生だというのに休んだりドタキャンしたりしない私は、だんだんバイト先に信頼されるようになり、時給も50円上がった。

ある日の夕刻、いつものようにレジを打っていると、店に中学時代の同級生がやってきた。
綺麗に浴衣を着ている。
その日は、地元の夏祭りだったのだ。
3年近く会っていなかった彼女は、女らしく大人っぽくなっていた。
「あれ~、ウメちゃん!久しぶり~!ここでバイトしてたん?」
「うん。ゆうこちゃんも久しぶり~!お祭りに来たん?」
「うん!ヤツと・・・。」
彼女がテレながら視線を向けた先には、すらっとした素敵な男性が立っていた。
二人は並んで商品の棚をめぐり、ゆうこちゃんは一つのピアスを手に取った。
自然な感じで彼がゆうこちゃんからそのピアスを受取り、レジへ持ってきて、支払をした。
ゆうこちゃんは、店の鏡を見ながらその場で買ってもらったばかりのピアスをつけた。
ゆうこちゃんの彼を見る嬉しそうな横顔は、上気していて可愛くて、キラキラしていた。

その時である。

私は、生まれて初めて心から激しく思ったのだ。

私も彼氏が欲しい!!

・・・と。


ひとたびそう思うと、その願望は飛躍的に膨張していき、独り身の自分がみじめにすら思えるのであった。
若さゆえの、極端から極端一直線である。

私は前述の友人Hのことが急に気になるようになった。

私に合いそうな人を紹介するとあれだけ言っていたのに、その後ちっとも連絡をよこさないけど、どうなっているのだろう?
夏休みだからって、彼氏と遊びまくって、私に男の人を紹介するって言った話を忘れてるんじゃないだろうか。

誠に勝手なもので、私は急にヤキモキしはじめた。

しかし、私から彼女に連絡を取るのは憚られた。
いかにもノリ気じゃないような態度を最初に取っていたのに、今になって「あの紹介の話どうなった?」なんて、恥ずかしくって聞けやしない。

私は辛抱強く彼女からの連絡を待った。

夏休みも後半に近づいた頃、友人Hから待ちにまった連絡がきた。
紹介の話が出てから3ヶ月以上経っていた。

「ごめんね。なんかバイトとか忙しくって~。」

友人Hはのんきな声を出した。
お互いひとしきり近況報告などする。
彼女は彼と行った旅行の話などを楽しそうにしていたが、私はあまり聞いていなかった。
意地っ張りな私は、自分から紹介の話を振ることができないのだった。
「あ~そうそう、彼氏の友達を紹介するっていう話やねんけど~。」
30分もたっぷり話したところで、やっとその話題が出た。
「あ~、そういえば、そんなこと言ってたねぇ。」
さも今思い出したかのように反応する、どこまでも意地っ張りな私である。
「いろいろ、合いそうな人探してみたんだけど、いい人にはもう結構彼女とかいてさぁ。」
「・・・そーなんだ。」
目の前が暗くなる。
「『ハゲ』と『ビーン』、どっちがいい?」
私は受話器を片手に目をパチクリした。
「『ハゲ』と『ビーン』??!」
「・・・うん。」
彼女の説明を詳しく聞くと、二人とも私より1つ年上の大学生なのだが、一人はちょっと若ハゲで、もう一人はMr.ビーンにそっくりだとか。
「あっ、でも私両方と会ったことあるけど、二人ともすごくいい人やで!ハゲてるといっても、いい感じのハゲ方やし!てっぺんのほうじゃなくて、おでこが広い感じやから頭よさそうやし。」
「・・・・・・」
私はしばらく言葉が出てこなかった。
「・・・ビーンって、そんなに似てるん?」
ぷっ、・・・あっ、でもでも、ビーンさんはすっごい優しい人やで!絶対いいと思う!」

!!ぷっ・・・って!今吹いたよね?!

「ねぇ、どっちがいい?あ、なんなら両方紹介できるけど!」


こんなんで選べるか!!!


自分なら『ハゲ』と『ビーン』の二択で選べるのかよ?
ちょっと頭が薄いとか、Mr.ビーンに似てるくらい、どうってことないかもしれないけど、自分の友達がそれをネタみたいに喋って、「ぷっ」って笑って・・・、そんなイジられてる二人のうちから、恋人候補を選べって言われて、自分なら選べるのかよ!!

私は怒りにワナワナと震えた。

「ちょっと選べないかなぁ・・・」
「え~でも、会ってみてよ。いい人たちやし、ほんとに!会ったら『いいな』って思うかもしれんし。」

人をモノに例えるのは悪いが、売れる商品でも売り込み方がマズかったら全く売れないということは、ままある。
これはその典型ではないだろうか?

彼ら二人には、きっといい所がたくさんあるのに、彼女は私に悪い方から宣伝してしまった。
しかも、面白おかしく宣伝してしまったのだった。

面白おかしくても、友達にはなれるが(むしろ面白い方が友達としてはよいが)、こと恋人候補となるとそうはいかないのだ。
友達に、面白がられて笑われている男性を、恋人にはできないのだ。

しかも、私は、ゆうこちゃんと彼のようなカップルを、美しい理想ととして胸にいだいてしまっている。

すらりとした彼のとなりで、私はキラキラと微笑むのだ。
それこそが私が求める恋愛なのだ。

若さゆえの恋への憧れと現実の狭間で、私は胸を締め付けられる思いであった。


その後、私は大勢の飲み会の席で、『ハゲ』さん『ビーン』さんの双方と対面した。
確かにハゲさんは、おでこの方がだいぶん寂しくなっており、ビーンさんは目がぎょろっとして鼻が大きく、Mr.ビーンにそっくりであった。

最初の予備知識が強烈であったため、私は二人を色眼鏡で見てしまっていた。
『ハゲ』と『ビーン』をワンセットのキャラとして捕らえてしまっている私は、二人を一己の男性として見ることがどうしてもできないのだった。




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テーマ:ある日飲み会にて - ジャンル:恋愛

【2008/01/09 23:35 】
ある日飲み会にて | コメント(5)
<<明日は私の誕生日なのですが・・・。 | ホーム | 2008年度目標>>
コメント
『ハゲ』と『ビーン』一度にご体面とは うめやんさんも度胸がいった事でしょうf^_^;


いくら人間中身とはいうものの うめやんさんも動揺しちゃったんじゃないですか?


きーまん、ちょうど昨日友達と話していて『体型も顔もそこそこ、一緒にいて恥ずかしくない程度がいいよね』って話してました~

自分達の事は横におき…よくいうよね(>_<)
【2008/01/10 17:55】
| URL | きーまん #-[ 編集] |
付き合っててはげていくのは構わないけど。。って気持ちですねーf^_^;
第一印象は見た目から入っちゃいますもんね。

でも長く付き合うには中身も伴わないといけないし。
両方大切ですねー。私は欲張りだからいけないのかも(~_~;)
【2008/01/10 21:09】
| URL | 野いちご #-[ 編集] |
女子大だとサークルとか入れば結構出会いのチャンスも多いような気もしますけど
そうでもないんですかね???
ハゲとビーンはきっとあちらから誰か紹介して欲しいとお願いがあったんじゃないですかねえ???
ちなみに友人Hの彼氏の友達の枠ってのはあんまり期待できなさそうだったんですよね、もともと???
なんかうめやんさん、結構こういった笑うに笑えない出会い話多いですね。
【2008/01/10 23:34】
| URL | ミュジニー #-[ 編集] |
うめやんさんのお友達は
その『ハゲ』のどこまでを『はげ』
その『ビーン』をどこまで『ビーン』に似ている
と判断したんだろうね・・・気になる。

アテクシがうめやんさんだったら
友人から『ついでに』って言われていると被害妄想し、関係ないところで怒っていた思う。
【2008/01/10 23:55】
| URL | nibbles #-[ 編集] |
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きーまんさん

「見た目も中身もそこそこ」ってのが一番難しかったりするんですよねぇ(--;
この場合、友人Hが、彼らのいいところから話をしてくれたらいいのに、そういう特徴的なところから(「ハゲ」とか「ビーン」とか)紹介したので、印象が強烈で、恋愛対象として見にくかったです。。。
あんまり特徴のない人の方が、恋愛対象として見やすいかも・・・って思いました。
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野いちごさん

第一印象って大事ですよ~。
でも、第一印象の前に、会ったことのない人の場合、友達の評価って気になりません?
「優しい人だよ」って紹介されたら、会った時に「優しい人なんだ」って思いながら会うもんね。
その紹介が、「ハゲ」とか「ビーン」じゃ印象が・・・。
難しいもんです。
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ミュジニーさん

女子大だったんですが、家から学校まで2時間近くかけて通っていたので、サークルに入るのが難しくて入ってなかったんですよ~。
十代のころって、友達の紹介とかあんまりきがすすまなかったんですよ。
「彼氏ほしい」と思い出してからはそんなの関係なくなりましたが(^^;
友達が「ぷっ」って笑いながら紹介するような人って、恋愛としては対象にしにくいです(--;
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nibblesさん

どうせなら、「素敵な人だよ~」とかって紹介してもらいたかったです。
しかも、その後も彼女がその人たちを話題に出す時は、マジで「ハゲさん」「ビーンさん」って呼んでて、名前で呼んでなかったから、「ハゲ」と「ビーン」がコンビ名のように頭にこびりついちゃって・・・。
【2008/01/11 09:27】
| URL | うめやん #r.Ra6CSg[ 編集] |
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