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ある日飲み会にて 【『ハゲ』と『ビーン』】
大学に入ってすぐのことである。
高校時代の友人Hと私は別々の女子大へ入学したが、週末には遊んだりしていた。

友人Hはほどなくして、他大学に年上の彼氏ができた様子で、毎日大変楽しそうであった。

友人Hと彼氏は週末ごとに遊ぶようになったので、私は週末はバイトに明け暮れていた。
私は友人Hが羨ましかったが、雑貨屋さんのレジ打ちのバイトもなかなか楽しかったので、毎日に不満はなかった。

友人Hは、私を心配してか、はたまた急に私と遊ばなくなったのが後ろめたかったのか、私に男の人を紹介すると言い出した。

「ウメが私の彼氏の友達と付き合ったら、みんなで一緒に遊べるやん♪」

彼女はそう言ったが、友人Hの彼氏の友達の枠から選ぶとなると、かなり限定されるなぁ・・・と多少息苦しく感じた私である。

「大丈夫やで!みんないい人ばっかりやし!」

甚だ疑わしかった。

「彼氏と相談して、ウメに合いそうな人、紹介するね!まかせといて!」

彼女の勢いに気おされて、紹介を受ける話が決まってしまった。

・・・がそれからしばらく彼女からの連絡が途切れた。
連絡が来たら来たで、紹介の話がすすみそうで煩わしい気がすると思ったので、私は彼女から音沙汰がないのをありがたく思いつつ、相変わらずバイトに励んだ。

そうこうしているうちに、前期試験が終わり、長い夏休みに突入した。

大学の友達もみな郷里に帰ってしまったので、私はやはりせっせとバイトに明け暮れた。
遊び盛りの大学生だというのに休んだりドタキャンしたりしない私は、だんだんバイト先に信頼されるようになり、時給も50円上がった。

ある日の夕刻、いつものようにレジを打っていると、店に中学時代の同級生がやってきた。
綺麗に浴衣を着ている。
その日は、地元の夏祭りだったのだ。
3年近く会っていなかった彼女は、女らしく大人っぽくなっていた。
「あれ~、ウメちゃん!久しぶり~!ここでバイトしてたん?」
「うん。ゆうこちゃんも久しぶり~!お祭りに来たん?」
「うん!ヤツと・・・。」
彼女がテレながら視線を向けた先には、すらっとした素敵な男性が立っていた。
二人は並んで商品の棚をめぐり、ゆうこちゃんは一つのピアスを手に取った。
自然な感じで彼がゆうこちゃんからそのピアスを受取り、レジへ持ってきて、支払をした。
ゆうこちゃんは、店の鏡を見ながらその場で買ってもらったばかりのピアスをつけた。
ゆうこちゃんの彼を見る嬉しそうな横顔は、上気していて可愛くて、キラキラしていた。

その時である。

私は、生まれて初めて心から激しく思ったのだ。

私も彼氏が欲しい!!

・・・と。


ひとたびそう思うと、その願望は飛躍的に膨張していき、独り身の自分がみじめにすら思えるのであった。
若さゆえの、極端から極端一直線である。

私は前述の友人Hのことが急に気になるようになった。

私に合いそうな人を紹介するとあれだけ言っていたのに、その後ちっとも連絡をよこさないけど、どうなっているのだろう?
夏休みだからって、彼氏と遊びまくって、私に男の人を紹介するって言った話を忘れてるんじゃないだろうか。

誠に勝手なもので、私は急にヤキモキしはじめた。

しかし、私から彼女に連絡を取るのは憚られた。
いかにもノリ気じゃないような態度を最初に取っていたのに、今になって「あの紹介の話どうなった?」なんて、恥ずかしくって聞けやしない。

私は辛抱強く彼女からの連絡を待った。

夏休みも後半に近づいた頃、友人Hから待ちにまった連絡がきた。
紹介の話が出てから3ヶ月以上経っていた。

「ごめんね。なんかバイトとか忙しくって~。」

友人Hはのんきな声を出した。
お互いひとしきり近況報告などする。
彼女は彼と行った旅行の話などを楽しそうにしていたが、私はあまり聞いていなかった。
意地っ張りな私は、自分から紹介の話を振ることができないのだった。
「あ~そうそう、彼氏の友達を紹介するっていう話やねんけど~。」
30分もたっぷり話したところで、やっとその話題が出た。
「あ~、そういえば、そんなこと言ってたねぇ。」
さも今思い出したかのように反応する、どこまでも意地っ張りな私である。
「いろいろ、合いそうな人探してみたんだけど、いい人にはもう結構彼女とかいてさぁ。」
「・・・そーなんだ。」
目の前が暗くなる。
「『ハゲ』と『ビーン』、どっちがいい?」
私は受話器を片手に目をパチクリした。
「『ハゲ』と『ビーン』??!」
「・・・うん。」
彼女の説明を詳しく聞くと、二人とも私より1つ年上の大学生なのだが、一人はちょっと若ハゲで、もう一人はMr.ビーンにそっくりだとか。
「あっ、でも私両方と会ったことあるけど、二人ともすごくいい人やで!ハゲてるといっても、いい感じのハゲ方やし!てっぺんのほうじゃなくて、おでこが広い感じやから頭よさそうやし。」
「・・・・・・」
私はしばらく言葉が出てこなかった。
「・・・ビーンって、そんなに似てるん?」
ぷっ、・・・あっ、でもでも、ビーンさんはすっごい優しい人やで!絶対いいと思う!」

!!ぷっ・・・って!今吹いたよね?!

「ねぇ、どっちがいい?あ、なんなら両方紹介できるけど!」


こんなんで選べるか!!!


自分なら『ハゲ』と『ビーン』の二択で選べるのかよ?
ちょっと頭が薄いとか、Mr.ビーンに似てるくらい、どうってことないかもしれないけど、自分の友達がそれをネタみたいに喋って、「ぷっ」って笑って・・・、そんなイジられてる二人のうちから、恋人候補を選べって言われて、自分なら選べるのかよ!!

私は怒りにワナワナと震えた。

「ちょっと選べないかなぁ・・・」
「え~でも、会ってみてよ。いい人たちやし、ほんとに!会ったら『いいな』って思うかもしれんし。」

人をモノに例えるのは悪いが、売れる商品でも売り込み方がマズかったら全く売れないということは、ままある。
これはその典型ではないだろうか?

彼ら二人には、きっといい所がたくさんあるのに、彼女は私に悪い方から宣伝してしまった。
しかも、面白おかしく宣伝してしまったのだった。

面白おかしくても、友達にはなれるが(むしろ面白い方が友達としてはよいが)、こと恋人候補となるとそうはいかないのだ。
友達に、面白がられて笑われている男性を、恋人にはできないのだ。

しかも、私は、ゆうこちゃんと彼のようなカップルを、美しい理想ととして胸にいだいてしまっている。

すらりとした彼のとなりで、私はキラキラと微笑むのだ。
それこそが私が求める恋愛なのだ。

若さゆえの恋への憧れと現実の狭間で、私は胸を締め付けられる思いであった。


その後、私は大勢の飲み会の席で、『ハゲ』さん『ビーン』さんの双方と対面した。
確かにハゲさんは、おでこの方がだいぶん寂しくなっており、ビーンさんは目がぎょろっとして鼻が大きく、Mr.ビーンにそっくりであった。

最初の予備知識が強烈であったため、私は二人を色眼鏡で見てしまっていた。
『ハゲ』と『ビーン』をワンセットのキャラとして捕らえてしまっている私は、二人を一己の男性として見ることがどうしてもできないのだった。




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テーマ:ある日飲み会にて - ジャンル:恋愛

【2008/01/09 23:35 】
ある日飲み会にて | コメント(5)
ある日飲み会にて 【花嫁志願奮闘記 ③】
②のつづき


それから2ヶ月ほど、飲み会のお誘いが遠のいていた。
親会社へのお使いも、最近は男性社員が行っていた。

「みんなどうしてるんだろうねぇ?」
「忙しそうですしねぇ。」

私達は相変わらずのん気だった。

そんなある日、久しぶりに“お使い”に行った先輩②が情報を仕入れてきた。

「ちょっと!アメリカに出張行ってたCくん、実は出張前に彼女できてたらしいで!しかも、ヤツも結婚決めたって!」
「ええっ?!」
「また急やな!!」
「それだけじゃないねん!、Bくんもセレブ彼女と結婚するって。」
「!!」
「・・・うそーん・・・(@@;)」

続け様に慶事である。
悦ばしい、・・・悦ばしいが・・・。

先輩②は続けた。
「ちなみにAくんって、自分で言うのもナンやけど、私に興味持ってそうやったやん?でも、毎週合コンで、毎週お持ち帰りらしい・・・。」
「・・・」
「・・・」

Aくんについては、実は私は他にも情報を知っていた。
たまたま地元の友達とお茶をした際に、聞いたのだが・・・、友達が参加した合コンにも来ていたらしい。
彼女は彼のことが気に入って、メールアドレスをゲットし、デートに誘うことに成功したのだが、そのデートで彼に、「尊敬する人は誰?」とか「将来の目標は何?」とか、難しい質問をいろいろされ、何一つ答えられずに撃沈したらしいのだ。
会社名・部署名・氏名・年齢・趣味等が合致したので、Aくん本人であることは間違いない。
「そのデートまでは毎日メールが来てたのに、デートの後『楽しかったです。またデートしてください』ってメールを送っても返信なくて、その後メールが途絶えたねん。」
彼女は肩を落とした。

なんて失礼なヤツ・・・!
ええ、私は女の味方ですから。

さすがに先輩②には言えなかったが・・・。


私は思った。

一番最初の飲み会の時点で、私達は彼らの恋愛圏外だったのだと。

私達は、あくまで下請け会社の飲み仲間であって、ハナから恋人だの結婚だのの対象としては見られていなかったのじゃないだろうか。

それに加え、趣味パチンコとか、タバコぷかぷか・・・とか、マズかったねぇ!

彼らが選んだ女性達は、ヨットが趣味だったり、お料理教室に通っていたり、茶道や華道ができたりするような、正統派お嬢だったのだ。

飲み会の席では下ネタOKの先輩①と②とは、世界観が違っている。
(私は基本下ネタNGのタイプだが、お嬢とは程遠いしな)


私達はすごすご引き下がるしかなかった。

女性陣は、結婚のお祝い金を毎回包んだが、残念ながら回収できる見込みはないのだった。

一度、彼らと彼らの嫁・婚約者・彼女を含んでの飲み会のお誘いがあったが、そんな怖ろし気な会に参加する勇気がある者は1人もいなかった。

その後、彼らとの飲み会が開催されることはなかった。


おわり



ちなみに、私はその会社は転職してしまったが、先輩①と②は元気にお勤めしている。
先輩①の恋愛事情ははよく知らないが、②とはたまにお茶する仲で、彼女はこの度、結婚が決まったらしい。(親会社ではないが、彼女いわく、「一時期音信不通になっていた、腐れ縁の彼」とのこと。)
とにかく幸せそうである。

おめでとう!!
心よりお祝い申し上げます!!



【あとがき】

私の尊敬する小説家がエッセイで書いていた。(以下要約)

恋人が欲しいなら、ただ漫然と「欲しい」と思うだけではダメである。
本当に心から欲しいと思わなければならない。
それも、もっと具体的に、「どの男」が欲しいのか、明確でなければならない。
生半可な気持ちでは、いつまでたっても恋人など手に入らない。
選ばれるのをじっと待っているだけで満足できないのなら、自分から手を伸ばして、欲しいものを掴み取りに行かなければならない。
そのためには、つまらない見栄は捨てなければならないだろう。
周りの同性に「あの人、あの男を狙ってるのね」と思われるのが気になる程度では、しょせん本気じゃないということ。
「あなたと付き合ってあげてもいいわよ。別に私はどっちでもいいんだけど・・・。」とでも言いたげな、自己防衛丸出しの温度の低いアプローチほど、相手に対して失礼なものはない。
私達が思うより、男性は敏感で頭がいい。
自分に対して相手の気持ちが本気かどうかくらいは、すぐ嗅ぎ分ける。
必要なのは、相手に対して、惚れて惚れて、惚れぬく、その気持ちである。
必死のアプローチをしろという訳ではない。それは見苦しいだけだ。
「情熱的なアプローチ」をすること。
それが大事なのだ。
情熱的なアプローチをしたいと思うような相手に出会いなさい。
その時、手放しに恋に落ちる覚悟と心の柔軟さを持っていなさい。


飲み会に参加しては撃沈を繰り返していた先輩と私達に必要だったのは、説明しにくいけど、こういうことだったんじゃないかなぁ・・・と、ふと思ったので紹介してみました。




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【2007/12/05 22:46 】
ある日飲み会にて | コメント(7)
ある日飲み会にて 【花嫁志願奮闘記 ②】
①のつづき


その後私達は、定期的に飲み会が開けるくらいに仲良くなった。

これはひとえに、先輩①と②の努力のたまものであった。

忘年会、新年会や、誰かが長期の海外出張へ行く際には壮行会、日本へ戻ってくる際にはお帰り会など、いろいろな飲みの席に、私達は招待された。
私達は彼らと飲み仲間として交流を深めていった。

けれど、誰一人、恋愛関係になるものはなかった。

Aくんが先輩②を大変気に入っている・・・とか、Bくん先輩①が妙に仲がいい・・・などという、雰囲気的なものはあったが、男女とも誰かと二人で特別に遊びに行く様子もなかった。

「Aくんと遊びに行ったりしないんですか?」
「いや~、別に誘われんし、まぁ、年下で可愛いなとは思うけど、私からも誘うとこまでは気持ちが行かんし・・・。」

先輩②は言葉を濁した。
私は、先輩②が心の中では、Aくんの誘いを待っているのではないかと思った。

「誘ってくれるといいですねぇ。」
「・・・さぁ~どうかなぁ。ってか、誘われたらどうしよう。」
私達はあれこれ想像して「ぎゃふふ」と笑った。


ある時、この飲み会のメンバーで、バーベキューが開催された。
集合場所に行ってみると、いつもの男性陣といつもの女性陣に加え、もう1人女性がいた。

「あ、この人は、オレのヨット仲間。琵琶湖でよく会う他のチームの人なんだ。」
Bくんが紹介する。

「へぇ、どうも~。」

急に見慣れない女性が現れてややドギマギする常連女性陣たち・・・。

新しく参加した彼女は、30代半ばくらいの、セレブな感じの女性で、セクシーな人で、Bくんとは恋愛関係ではないようだが、「昨日も二人で飲んでて、今日バーベキューするからって誘ったんだよね♪」とのことで、非常に仲がよいようだ。

二人飲み・・・。

私達女性陣がなかなか越えなれなかった壁をいともあっさりと越え、二人飲みをやってのけたセレブ女。
ただの下請け会社の飲み仲間と、“趣味”というジャンルでの仲間では、親しさのレベルがはるかに違うのだ。
下請けの私達と親会社の男性陣の中には、そこはかとなく上下関係が存在する。
彼女とはスタート地点がまず違うのだった。

彼女は非常に社交的な人で、臆することなく私達に、急に参加することになったことを詫び、「仲良くしてください!」と明るく笑った。

「負けたな。」

私は悟った。

男の人について、女性が1人でイベントに参加するというのは非常に勇気のいることなのだ。
しかも、知らない女性の中に入らなければならないとなれば、プレッシャーは格別である。
そのプレッシャーをはねのけ(というかモノともせず)、1人で明るく乗り込んできた彼女。
私達がたじろく程の、人懐っこい笑みで大きな声で挨拶してきた彼女。
かたや、何回飲み会をしても、飲み仲間以上には仲良くなれず、妙なしり込みをし(女性陣同士のけん制もあり)、一対一で会うことも出来ないでいる私達・・・。

完敗ではないですか。

彼女は素敵な女性であった。
それに加え、どんな社交的な女性でも、ちょいとバーベキューに誘われたからって、知らない女性が多数参加するイベントだと知れば、普通断るであろうところを、あえて1人で果敢に参加してきたところを見ると、彼女の覚悟が知れようというものだ。

きっと彼女は彼が好きなのだ。

そして、あえてこの場に彼女を誘ったBくん。

そう、彼もきっと彼女を特別と思っているのだろう・・・。


その後、次々と男性陣の環境は変わっていった。

バーベーキューの1ヵ月後、アメリカに半年出張していたCくんが帰国したので、「お帰りなさい会」ということで、飲み会が行われた。
その場で、例のセレブな彼女とBくんが付き合いだしたことが判明した。

特に驚きはなかった。
こうなることはバーベキュー時点で予測できていた。

さらに、Dくんの結婚が決まったとの報告があった。

これは、さすがに驚いた。
何の前兆も無かったからだ。

「えっ、彼女いたっけ?」
「あ~、前もいたんだけど、その子じゃなくて、別な子なんだよねぇ。」

???前の子の話も知りませんが???

どうやら私達との最初の飲み会が開催された後、すぐに他の飲み会があり、彼女が出来ていたらしい。
しかし、またもやその後他の出会いがあって・・・。
「一時期カブってるんだよねぇ。どっちにしようかなと思ったけど、今の子が勝ったって感じで。」

勝ち負けかい!!

しかもまだ知り合って(付き合い始めて)3ヶ月・・・。
「早いよね・・・?」
「そう?一応半年後が結婚式なんだけどね。」

写メで撮った彼女の写真を見せてもらった。
大変かわいらしい子だ。
「なんか、お嬢様って感じのよさ気な女の子だねぇ!」
「ま、彼女の父親が別の会社だけど同じ業種で、海外出張とかもあるらしくて、苦労とかも分かってくれるからさ、安心だよ。」

つまり、彼女の父親もエリートで安心・・・みたいな?
・・・ひとます、「おめでとう!」と乾杯したのだった。


③へつづく




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【2007/12/04 17:05 】
ある日飲み会にて | コメント(3)
ある日飲み会にて 【花嫁志願奮闘記 ①】
25歳ごろのことであった。

当時私はとある大きな会社の下請け会社に就職していた。
私の属していた部署は、大変年頃の女性の多い部署で、他部署からはひそかに「美女軍団」「喜び組」などと呼ばれていた。
(ひどいな)
そんな私達の部署を取仕切る30歳と28歳の先輩女性(先輩①・先輩②)の目標は、ズバリ!「親会社の男性社員の嫁の座」・・・であった。
あぁ、なんて分かり易い・・・。
私達の係っている親会社の部署は、「技術部」「海外営業部」と呼ばれる部門で、非常にエリートの方が多かったのだ。
全員が東大・京大・阪大・早稲田・慶応・・・等の機械工学科の出身者で、基本的には院卒以上の学歴であった。
当然お給料も私達と段違いである。

私達の会社は親会社の敷地の真横に併設されており、仕事の関係上、親会社へ資料を持っていったり、仕事の依頼の説明を聞いて、社へ仕事を持ち帰ったりする用事があり、2日に1回は敷地内に出入りしていた。
もちろん、全員で行く必要はないわけで、主に前述の28歳と30歳の女性がその仕事を買って出てくれていた。

二人は、親会社へお使いに行くのを楽しみにしており、出かけていくと優に1時間は戻らなかった。
確かに、親会社の敷地は広大で、遠い部署になると建物にたどり着くには、正門から歩いて40分はかかるのであったが(普通は自転車で移動するが)、私達がお使いに行く部署へは片道徒歩10分もあれば行けるし、資料の提出ぐらいでは、用事自体は5分で済むはずであった。
なぜこんなにも時間がかかったか・・・。
彼女たちは、親会社の男性達と交流を深める為、独自にいろいろと営業活動をしていたのである。

かなり見上げた根性だ。

彼女達は、男性社員とジワジワ仲良くなり、「立ち話が出来る程度」→「一緒に休憩室で休憩できる程度」・・・と、着実に歩みを進めて行き、やっとこ「飲み会」までたどり着いたのである。

「ウメちゃん、飲み会参加してな!めったにないメンバーやから!!」

私は日頃から彼女達と仲良くしていたので、その恩恵にあずかることができた。

「エリートやで!エリート!!」

彼女達が舞い上がるのも無理はなかった。
この会社のエリート社員と付き合いたいがために、派遣として働いている女性も多数いるのだ。

私は自慢にゃならないが、大学時代から数えると、ちょっとそこらの人には負けない飲み会数をこなしている。
よって、飲み会(コンパ)による彼氏ゲット率がどれくらいのものであるかを把握しており、彼女達のように浮かれることはできなかったが、それでも、日頃みんなが“お目当て”としているエリートくんとの出会いの場・・・ということで、かなりワクワクしてきたのだった。


当日、私達はドキドキしながら待ち合わせの場所に着いた。
私はちょっと女の子らしい格好をして来ていたが、先輩①②は普段どおりのカジュアルなパンツであった。
彼女たちのいいところは、男の人が大好きだが、男の人に媚びない、その姿勢である。

エリートの男性に「嫁候補」にしてもらいたいからといって、無理して女の子らしくしたり、取り繕ったりしないのだ。
彼女達に言わせれば、こうである。
「なんでこっちが合わせなあかんの?」
うん、確かに!!
あなた方は正しいです。

さて、お相手の男性はというと・・・。

お~、コレはかなりの豊作といってよいレベル!

6名いた男性の中で、たしかに「この人はチョット・・・」という人も約1名いたが、その他の人に関して言えば、イケてる!
背も高いし、顔もさわやか、服装もそこそこオシャレで、会話もわりと社交的なのだ。

こんな人が残っていたなんて・・・!

(ただし、内1名は彼女持ちということが判明。)

それにしても、この面子で、学歴や就職先も申し分ないとくれば、相当モテるだろう。
趣味も、ヨット・スキー・ダイビング・ラクロス 等々、なかなかバラエティーに富んでおり、その内容もアクティブな感じだ。

「女性のみんなはどんな趣味?」

私は「フルート」と言ってみた。
(習ってるんだから、そう答えてもバチは当たるまい。)
もう1人の女性は「書道」と答えた。
(彼女は師範代の腕前なので、文句はない。)
先輩①は右手を前へ持って行き、クイックイッとひねるような動作をした。

ん?こりゃなんだ。

お相手の男性はしばらく考えて、「パチンコ?!」と言った。

パチンコ!!

先輩①はニヤリと笑い、「正解~♪」と言っている。

ずいぶん飾らない人である。

先輩②は、ハンドルを握るジェスチャーをした。

「運転?ドライブが趣味なの?」
「うん、1人で。平日の夜に、毎日同じコースを周るねん!」
「えぇ?!それ、どういう趣味なの?!」
「いろいろ妄想しながら走るとストレス発散なるねん!」

それは、共感しにくい・・・!

だが先輩①②のおかげで、場が盛り上がった。
彼女達は、いつもの調子でタバコに火をつけ、ぷっはぁ~と煙を吐き出し、店員に向かって「にんにくチップ!」と追加の注文を叫んだ。

やる気あんのか!!

「嫁候補」という言葉がどんどん遠のいている気がしますが??
(しかも、よりにもよってニンニクチップ・・・涙)

楽しい夜が更けていった。



②へつづく




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【2007/12/01 11:05 】
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ある日飲み会にて 【お見合いパーティー ②】
①のつづき


「次は、フリートークの時間です!みなさんの気に入った方と10分間じっくりお喋りしていただきます。その時に最初に書いていただいた自己紹介カードをお相手と交換してくださいね!お話できるのは5人までです。みなさん積極的にお相手に声を掛けてくださいね!はい、スタート!!」

みな一斉に席を立つ。
どうやら、誰と話してもいいらしいが、1対1で10分間というルールがあるようだ。
私と友人Hはオロオロしながら、取りあえず席を立とうとした。
その瞬間、私の目の前に男性がすごい勢いでやってきた。
「お話していただけますか?」
相手は自己紹介カードを差し出している。
私は特に話したい相手もいないので、上げかけた腰を下ろした。
友人Hも自己紹介カードを交換してトークを始めたようだ。

自己紹介カードを見ながらのお互いの質問大会が続く。
「お見合い」というよりは「面接」に近い。

ふと見ると、一人の女性がぽつんと座っている。
そう、男女は同数ではなかったのだ。
1人男性が少なかったのである。
最初の5分間トークのときは、順番に男性が回っていったので、女性側には話す相手がいない5分間が平等に1回ずつあっただけなのだが、このように自由トークの時間に1人ということは、約40人(およそ20対20)の中で1人完全に取り残されたような格好になってしまうのだった。

なんという恐ろしいシステム・・・!!

私は震え上がった。

幸い私と友人Hのブースは大盛況であった。
席の取り合いで激しい争いが繰り広げられたくらいである。

「若さだな。」と私は思った。

どう見ても、若い順にモテていたのだ。

1人ぼっちになってしまった女性は、40代とおぼしき方だった。
10分後、トーク相手の交代があっても、やっぱり彼女は1人であった。

仕方なく、彼女は司会者の女性と話をしていた。

なんということ・・・。

キレイな顔立ちのやさしそうな人で、きっと真剣に出会いを求めて参加されているのに、これでは気の毒である。

浮ついた気持ちで参加していた私は急に居心地が悪くなった。
ここに私が参加していなければ、彼女は1人にならずに済んだのだ。

「はい、みなさん、大変お疲れ様でした。じっくりお話できたことと思います。それでは今から配る紙に、気に入った方の名札のナンバーを書いて、こちらの箱にお入れください!」

紙には、第一候補と第二候補の欄があった。

うぬぬぬ・・・。

私は悩んだ。
はっきりいって、気に入る人はいなかった。
カップルになってしまうことだけは避けなければならない。
私は自己紹介カードを交換した人を避けて、あえてほとんど印象にない人のナンバーを書いた。

「集計が終わりました。それでは、カップルを発表いたします!」

みな緊張の面持ちだ。
友人Hはなぜかヘラヘラ気楽そうに笑っている。

「○番の男性と、○番の女性の方!」

チーン・・・・・。

なんとカップルになってしまった。
相手の顔にはあまり見覚えがない。
ちょっと気の弱そうな、頭が少し寂しい感じの35歳くらいの男性であった。

なぜオレのナンバーを書いたんだ!!

私と彼はみなに祝福の拍手を受けた。

「本日は3組のカップルがめでたく誕生しました!!カップルになったみなさん、後で連絡先などの交換をして下さいね。どうか、お幸せに!!」

そりゃどうも!お世話様!!

解散になったとたん、私は友人Hの手を引いて、ホテルの外へ駆け出した。
「カップルになった人、待っててあげなくていいの??」
「ゴメン、無理!ほんまゴメン!!」
私はなぜか友人Hに謝った。

「ま、いいんじゃない?別に追いかけて来なかったし~。」
友人Hはのんきな様子で私をなだめたが、私は彼を放置した罪悪感が湧いてきて、かなりブルーな気持ちになった。

「ところで、Hは誰のナンバーを書いたん?」
「あ~、あたし?白紙白紙~。だっていい人いなかったじゃん♪」

なっにぃ?!その手があったのか!!
ってか、そういう手があることを教えといてくれよ~!(普通気付くか・・・)

とにかくこの「お見合いパーティー」は私の肌には合わなかったようで疲れた。
番号札を付けられて、お互いに値踏みして、・・・まるで自分が商品のように思えのだった。
自己紹介カードが商品の仕様書のように見えて、少し悲しかった。

あの司会者のお姉さんは、左手の薬指に結婚指輪がはまっていた。
彼女は私達を見て、どのように思っているのだろうか。
明るく司会をこなしながら、「かわいそうに」と思っていたんじゃないだろうか・・・。
(多分これは被害妄想だが。)

「やっぱり2000円の会費じゃ、いい人おらんなぁ。また高い会費のパーティーも行ってみようよ!」

友人Hはやる気満々だったが、全身が拒絶反応の私であった。


おわり




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【2007/11/23 22:46 】
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